扁桃腺の手術ってなにをするの?費用やメリット・デメリットの体験談

「あっ、これはまた喉が腫れるヤツだ」
ちょっとした季節の変わり目、ストレス、疲れが溜まることで、扁桃腺が腫れてしまい高熱が出るのを繰り返してしまうことはないでしょうか?

年に4回以上も喉が腫れてしまうことを「慢性扁桃腺」といい、私も3カ月に1度は扁桃腺炎になって寒さや痛みに苦しみました。かかりつけ医からは手術を勧められたこともあったのですが、手術と聞くとなかなか踏ん切りがつきません

しかしながら、このままではいけないと思い。医者の腕を買い実際に手術をお願いしてみました。私自身、手術は初めてですし、入院もしたこともありませんでしたが、記事として記録に残すことで、手術をしようと思うあなたの役に立てば幸いです。

扁桃腺炎は大人になるにつれ発症しない?

かかりつけ医の先生と、別の診療所の先生が2人いるのですが。扁桃腺の治療方針は異なっていました。考え方としては、東洋医学的(悪くなる周りの原因を整えていく)と西洋医学(悪いところを除去する)でして、非常に迷いました。

かかりつけ医の先生は、年齢が上がるにつれ扁桃腺が腫れる頻度は減少していく。また、発症するほど免疫がついていくと話していました(本当かよ)。さらに、喉の消毒液なども殺菌効果が強いために細胞を傷つけることから処方はしなくとも良いという考えの先生でした。

一方、別のクリニックの先生は、「扁桃腺を繰り返すようだから切ろうか? 紹介状を書くよ」と切除した方が良いとの考えをもっていました。

どっちがいいんだよ!!!!

確かに、大人になるにつれ扁桃腺は小さくなり細菌感染などを引き起こすリスクは減少していくようです。でもですよ、私はこの当時27歳です。身体ばかりは立派な大人になっているけど、扁桃腺炎は3カ月おきに繰り返すし、大人になっても発症するものは発症するのです。

わたしが扁桃腺手術を決めた経緯

扁桃腺が腫れると、高熱を出し・寒さに震え・喉が痛くて食事ができない状態が7日~9日は続きます。学生時代は勉強から遅れ、社会人となった今は大切な有給や休日が潰れてしまいます。さらに、医者への診療費・薬代金の積み重ねもバカになりませんし、待っている時間ももったいない

私の悲しいエピソードは多数ありますが、期末試験前に寒さに震え勉強と試験を受けたり、大学卒業旅行中に扁桃腺が腫れて寝込み、親知らずを抜いて歯が痛いのに喉も腫れちゃう。そう、ストレスや体調と密接に関係しており、扁桃腺炎は大事な時に限ってやってくるのです。

そして、さすがに27歳にもなり、年齢が上がるにつれ(扁桃腺炎の)発症頻度は少なくなってくると言われても、「信用できない! もう我慢の限界だ」って吹っ切れたことで手術を決意しました。

手術までの流れ(もし入院前に体調を崩したら)

私が実際に病院に通った2021年時の日程を記載し、大まかな流れを説明します。入院前の検査に問題がなければ、手術を含めて1週間程度の入院となります。

  1. 術前検査(5月6日)
  2. PCR検査(5月20日)
  3. 入院(5月24日)
  4. 手術(5月25日に実施)08時30分~12時30分で終了
  5. 退院(5月31日)
  6. 再診・入院費支払い(6月7日)

このような日程で進みました。手術の2週間前に、術前検査(心電図測定や採血など)を行い、だいたい2時間30分で終了しました。また、コロナウイルスに感染していないかPCR検査も入院前に実施します。その際、県外などに旅行や仕事で行っていないかを確認されました。

入院前に体調を崩したら?

私ごとですが、扁桃腺手術前に扁桃腺が腫れてしまいました。本来なら3月22日~3月29日に入院予定となっており、術前検査も含めてすべて終了しておりました。

しかしながら、3月15日に扁桃腺が腫れてしまい、その旨を病院に連絡したところ、手術は延期となりました。繰り返しになりますが、扁桃腺炎は大事な時に限ってやってくる。

手術に関しては執刀医のスケジュール調整、手術予約の順番もありますので、再び待つ必要(私の場合は2か月でした)があります。さらに、術前検査(心電図、採血)はもう一度やり直す必要があるため、万全の体調管理に努めましょう。

手術前後の様子(怖い? 痛い?)

【手術開始(08時50分)】

当日は08時30分ぐらいから手術の準備を行います。手術着・弾性ストッキングを着用すると、自分の足で手術台まで移動しました。手術室は、色んなモニターや器具があり、7名ぐらいの人数でオペの準備が進んでいきます。手術室は複数あり、私は2番のオペ室に入りました。

手術台はエアーベッドのような感触であり、上に掛ける毛布みたいなモノは人肌のような温かさの温風が出るようになっています。手術室には音楽も流れており、毛布の包み込まれるような温度に安心感がありました。

さて、扁桃腺の手術は全身麻酔になります。最初に口と鼻を覆う呼吸器マスクを着用します。
「ゆっくりと呼吸してください」
そう促されるまま、3回目の呼吸をしようとした時、気を失いました。

次に目を醒ましたのが、手術中であり、「血を吐き出せますか?」と聞かれ、血混じりの唾を差し出されたガーグルベースに吐き出しました。そして、再び麻酔により眠りに落ちました。(※手術後の説明によると、出血が酷く1度血を吐き出してもらったとのこと)

 手術中に痛みを感じる場面はありませんでした。はじめての全身麻酔は、息を吸いながら恐怖を感じる前に気を失います。途中で1度起こされましたが、その際も痛みはなく、ぼんやりとしたまま、唾液程度の血を吐き出しました。


【手術終了(12時30分)】

次に目が覚めたのは病室のベッドの上でした。SNSで入院した人は高確率で投稿するであろう、『見知らぬ、天井』ネタを体感できたなら手術は成功です。

手には点滴を入れられ、足は長時間動かせないため、血栓防止として血が固まってしまわないよう、足を自動で揉んでくれる装置を着けられていました。このまま安静(3時間)にして休んでいるように指示を受けます。

 「えっ!もうこんな時間なの」と時間がぶっ飛んだような感覚を受けました。全身麻酔の影響のため、はじめのうちは身体をゆっくりとしか動かせません。スマホなどは触っても良いので、とにかく安静にしています。

なお、自由に立ち歩いてはいけません。「おしっこ」は、看護師さんに言えば連れて行ってもらえます。私は尿意がなかったので、そのままベッドでダラダラと過ごしていました。


【安静指示の解除(15時30分)】

安静指示が解除となり、看護師の方と一緒に歩いてみる練習をします。手術前のように思ったようには歩けませんでしたが、ゆっくりと歩行することができます。また、「うがいの方法」についても説明を受け、喉を使った『ガラガラうがい』ではなく、口を動かす『ぶくぶくうがい』をするように指導を受けます。喉が痛く、血混じりの痰が続きます。

 キビキビと歩けませんでしたが、時間の経過と共に回復しました。唾を飲み込んだ時に喉が痛いです。また、口を固定するために唇・舌などを長時間圧迫しますので、かなりヒリヒリとします。

 水も飲むと上手く飲み込めず少し鼻から出てしまうこともありました。また、夕方頃には発熱(37.6℃)も出現しました。

 

 

入院生活の流れ・痛みレベル(5段階中)

結論から記載しますと、手術日の夜~3日目が超痛いです。切除した扁桃腺部分だけではなく、口を固定するために唇・ベロを圧迫しながら手術を行いますので、計3カ所が同時に痛みました。さらに、手術後の防衛反応で熱発も起こしますので疲労感も強くなります。

痛むのは手術3~4日目で、そこを過ぎれば痛みを乗り越えたと言えるでしょう。

日 付 予 定 内 容 痛みレベル
5月24日 入院日 ・深夜(0時まで)なら好きな物を食べてOK。
そのため、売店でカップラーメンと豆大福を買って食べました。
なし
5月25日 手術日 ・手術(08時30分~12時30分)
・安静時間(12時30分~15時30分)
・夕方頃より熱発(37.6℃)が出現しました。
・自由行動できますが、手術後の疲労感もありベッドでスマホを触っていました。
4
5月26日 手術日 ・体温(37.2℃~38.1℃)
・全体的に体がダルく、口の中が乾燥して痛いです。
・今まであった扁桃腺がないわけですから、ご飯や水を飲み込むのが苦労しました。発語も慣れるまで時間が掛かります。
・左腕の点滴は14時頃に外れ、完全に自由になりました。
4
5月27日 ・体温(37.3~38.3℃)
・口の中が乾燥して痛いです。
・声が出し難く、飲み込みが苦労します。
・血混じりの痰はほぼ出なくなります。
5
5月28日 「歯磨き」と「シャワー(首から下)」解禁 ・体温(37.1℃~37.6℃)
・口の中が乾燥して痛いです。喉とベロが痛くて、夜はあまり眠れませんでした。
・「歯磨き」がOKとなり、口の中がサッパリ。
・「シャワー」も首から下はOKとなりました。
5月29日 シャワーOK ・体温はこの日から安定しました。
・唇と喉の乾燥からくる痛みが引き続きあり、唾液を飲むのも苦労します。
・手術4日目から頭もシャワーOKとなり、とってもリラックスできました。超気持ちいい。
4
5月30日 ・喉とベロの痛みはまだ残りますが、唇の炎症は良くなりました。 2
5月31日 退院 ・喉とベロの痛みはまだ残りますが、どんどんと良くなり、ここから数週間かけ痛みも消失しました。 2

入院生活の食事

最初は「重湯」のような形がない食事から始まり徐々に固形物にステップアップしていきます。病院食は完璧な塩分調整がなされており、今まで食べてきた食事は何と塩分が高かったのかと思い知らされます。

手術前日の食事
最初は「重湯」スタート
2日目:ちょっと形があるものが登場
3日目:固形物が多い
4日目:全粥となりお米の触感があります
5日目

退院日の朝食です。最初に比べてここまで固形物が多くなりました。
注意事項としましては、手術後は飲み込む際の痛みがあります。特に注意してほしい食べ物がありまして、それは柑橘系、醤油・ソースです。かなり染みるので気を付けてください。

入院費用について(だいたい8万円)

入院費用は、退院して1週間後の経過観察後に病院内の支払機で入金しました。

術前検査 4540円
手術ハット(病院の売店で購入) 33円
扁桃腺手術・入院費用 72020円
手術後の経過診察 240円

27歳(男性)で2021年時の記録です。扁桃腺手術は高額医療費制度の対象になります。入院前に医療ソーシャルワーカーから説明がありますので、是非とも活用しておきましょう。制度を活用することにより、8万円前後で手術を受けることができます。

ただし、これは4人部屋の場合での値段になります。基本的に部屋代は高額医療費制度の対象外ですので、個室(他の患者がいないリラックスできる空間で入院したい場合)希望の場合、別途部屋代が必要になります。私はお金がもったいないので4人部屋一択でした。

手術を受けるメリット・デメリット

メリット ・扁桃腺が腫れなくなりました。風邪っぽいなと思う日、ちょっとだけ喉がヒリヒリしたりするのですが、高熱に繋がることはなく、翌日には完治します。

・2021年に切除後、現在までに風邪になることはありません。今まで病弱だと思ってたのはすべて扁桃腺が原因だったんだ!!

デメリット ・日常生活で不便を感じたことはありません。水や食べ物を飲み込む際に苦労しましたが、1ヵ月ほどすると問題なくなりました。

準備しておいた方が良いこと

  • 売店で物品を買うための現金
  • 入院手続き、手術同意書など、さまざまな書類がありますので、スムーズに渡せるようにファイルに入れておく
  • 手術を担当する先生の名前を聞かれたりするので、覚えておく
  • 手術後は血混じりの痰が出ますので、ティッシュを多めに持っていくと良い
  • 口腔内の乾燥による痛みが強いので、濡れマスクがあると気持ち楽になる

ここら辺は重要だと思います。他に必要なものは、売店もありますので現地調達は可能です。私は洗剤だったり、濡れマスク、ごはんですよ、アイスなどを買いました。入院生活は暇ですので、本やiPadなどを持っていくのも良いでしょう。

喉の痛みが和らいできたら、「ごはんですよ」は最高です。病院食は味が薄いので物足りない人におススメ。また、アイスは喉が冷えるので痛みが和らぎ、1日1個を日課にして購入していました。

まとめ

  • 入院生活は1週間
  • 手術は全身麻酔で特に痛みはなし
  • 手術後の痛みは3~4日目がピーク
  • 手術費用は高額医療費制度の活用で8万円前後

年に4回以上は扁桃腺が腫れていたのですが、手術後は現在までに風邪を引くことはなくなりました。少し喉が腫れることもあるのですが翌日には腫れも治まり体調も回復します。

「手術こわい」、「もうちょっと様子を見よう」と先延ばしにしていたのですが、手術を受けてみると、まったくデメリットはなく、もっと早く切除していればというのが感想でした。

大事な約束の前に扁桃腺が腫れたり、休日や有休が潰れる、無駄に診察費や薬代・診察時間を消費してしまうことがなくなったので気持ちに余裕ができました。

もちろん手術ですので、事前にドクターから注意事項(味覚が落ちる可能性がある)なども知らされますので、納得した上での決断をお願いします。私としては早く切っていれば良かったに尽きます。

以上『扁桃腺の手術ってなにをするの?|メリットやデメリットの体験談』でした。

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